脳卒中
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実験的脳出血における血糖値の変化
中澤 憲一新 城之介赫 彰郎伊与田 浩介
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1980 年 2 巻 3 号 p. 215-220

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抄録

脳血管障害においてみられる糖代謝異常の発現機序については不明な点が少なくない.
すでに著者は脳血管障害における血糖値の上昇はコルチゾールとエピネフリンが関与していることを報告した.今回は実験的脳出血家兎における血糖値とエピネフリンのα, β-作用の関係, 血中グルカゴン値, 肝細胞中のグリコーゲンの経時的変化, さらにデキサメサゾンが同家兎の血糖値に及ぼす変化について検索した.その結果, 実験的脳出血後に漸次上昇する血糖値は, β-ブロッカーであるプロプラノロールにより上昇が抑制され, またグルカゴンは血糖値の上昇とほぼ平行関係であった.血中グルコースの由来を知るために同家兎の肝切片を検索したところ, 肝細胞内のグリコーゲンは漸次減少を示した.
よって血糖上昇はコルチゾール, エピネフリンのβ-作用とグルカゴンが密接に作用し, 血中に増加するグルコースは肝グリコーゲンに由来するものと考える.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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