日本血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-767X
Print ISSN : 0918-6778
症例
人工股関節全置換術後,骨セメントにより総大腿動脈仮性瘤を合併した1例
田林 東 金 一中島 隆之鎌田 武小泉 淳一熊谷 和也
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2018 年 27 巻 2 号 p. 73-75

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抄録

今回,われわれは人工股関節全置換術後の骨セメントによって生じた総大腿動脈仮性瘤の1例を経験した.症例は83歳,女性.2016年11月,急速破壊性股関節症に対し右人工股関節全置換術を施行された.術後1カ月頃から貧血を認め,精査目的に施行された造影CTで右総大腿動脈仮性瘤の診断となった.術中所見にて,骨セメント突出部と一致した部位に総大腿動脈後壁破裂孔を認め,骨セメントの機械的刺激によって生じた仮性瘤であったと診断した.手術は人工血管を用いた右外腸骨動脈–総大腿動脈バイパスと骨セメントの切除を行った.人工股関節全置換術後の血管合併症は稀であると思われ,報告する.

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