日本獣医師会雑誌
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1997年に鹿児島県で発生したイバラキ病と流死産胎子から分離されたウイルスの性状
渡邊 洋一郎牧内 浩幸今藤 豊重山崎 嘉都夫鬼塚 剛大橋 誠一
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2000 年 53 巻 5 号 p. 302-306

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抄録
1997年8~10月に鹿児島県内で流涎と嚥下障害を主徴とする54例のイバラキ病が発生し, かつ同時期にほぼ同じ地域で牛の流死産も多発した. 流死産の発生は, 妊娠170~280日齢のホルスタイン種に多く認められた. ほとんどの流死産母牛はイバラキウイルス (IBAV) に対して高い中和抗体価を示し, 流死産胎子の血清中にもIBAVに対する中和抗体が検出された. さらに, 11例の流死産胎子の血液, 脳, 脊髄などの臓器から21株のIBAVが分離された. IBAV遺伝子の第3分節を標的としたRT-PCRによって, 分離ウイルスからIBAV No.2株と同一サイズの増幅産物が得られたが, 制限酵素Sau3Alによる切断パターンはIBAV No.2株とは異なっていた. これらの結果から, 今回の流死産はIBAVの感染によって引き起こされたと考えられた.
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