Journal of Veterinary Medical Science
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標的細胞膜によって刺激されたイヌ Natural killer(NK) 細胞からのNK細胞障害性因子(NKCF)の放出(短報)
中田 陽子塚谷 由夏小坂 俊文宮守 美由紀桑原 正人田中 茂男小出 英興
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1995 年 57 巻 1 号 p. 165-167

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抄録

イヌ Natural killer (NK) 細胞における Natural killer cytotoxic factor (NKCF) の存在およびNKCF放出の機構について検索した. 効果細胞と標的細胞との混合培養上清中の細胞障害性因子の放出量はNK介在細胞障害性およびNK細胞数に依存していた. このことからこの細胞障害性因子はNKCFであることが示唆された. NKCFはNK感受性標的細胞と末梢血リンパ球との混合培養上清中には多く放出されたが, 非感受性細胞との混合培養上清中にはほとんど放出されなかった. また, 標的死細胞または標的細胞膜を用いた場合にも同様にNKCFが放出された. 以上のことから標的細胞膜構造はNK細胞による認識, 結合およびNKCF放出に関与していることが示唆された.

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