肝臓
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慢性C型肝炎へのインターフエロン治療後に再生不良性貧血, 肝細胞癌を合併した肝硬変の1例
宮永 修菊池 郁夫三原 謙郎石橋 大海
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1998 年 39 巻 3 号 p. 181-186

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抄録

症例は62歳女性. 4年前に慢性C型肝炎治療のためインターフェロンの投与を受け, 1996年6月に肝腫瘍が発見されて入院した. 入院時の血液検査で白血球数1, 600/μl, 赤血球数325×104/μl, 血小板数3.8×104/μlと汎血球減少症を伴つていた. さらに, 骨髄像は低形成髄を示し, 骨髄シンチも再生不良性貧血を示唆する所見であった. 本症例の汎血球減少は肝硬変の脾機能亢進症によるものだけでなく, 再生不良性貧血を合併していると診断した. インターフェロン治療後より白血球数, 赤血球数の減少が著明となっているため, 慢性C型肝炎への本療法が再生不良性貧血の原因と思われた.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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