廃棄物資源循環学会誌
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特集:最終処分場からの POPs およびその候補物質の浸出実態の把握手法および長期的な溶出予測手法の開発
最終処分場の浸出水におけるPFASsおよびその前駆物質,HBCD にかかる分析法と濃度実態の整理
松村 千里 羽賀 雄紀
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2021 年 32 巻 1 号 p. 33-40

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抄録
有機フッ素化合物に関しては,Stewerdship Program による自主規制やストックホルム条約への登録以降,環境中あるいはヒト血清中における濃度は減少傾向にある。PFOA の減少に伴い PFHxA の増加が報告されている。前駆物質では,Orbitrap-MS を用いて海水から N-MeFOSA と N-EtFOSA の検出事例もあるが,多くは,5:2 Ketone,5:3 FTCA,6:2 FTOH,6:2 diPAP,6:2 FTS が検出されている。最近では,GenX の汚染実態や検出事例も報告された。
 一方,最終処分場におけるヘキサブロモシクロドデカン (HBCD) の調査事例は,ほとんどないのが現状であるものの,<0.0025~9ng・L−1 の濃度範囲であった。また,下水処理場では,流入水 <0.4~400ng・L−1,放流水は 0.14~18ng・L−1 の濃度範囲であり,処理に伴い濃度レベルが減少していた。
 今後は,処分場浸出水等さまざまな水試料を分析することで,問題点を整理し,分析法および調査法マニュアルを作成する予定である。
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© 2021 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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