粉砕
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〈解説〉
樹脂系複合材料における低次元粉体フィラーの添加効果
堀田 裕司
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ジャーナル オープンアクセス

2019 年 62 巻 p. 51-58

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抄録

CO2削減目標が掲げられているパリ協定,国連サミットで採択されたSDGs(Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標))など,人類の持続可能な社会を構築するべき目標が定められている。この様な社会的背景の中で,軽量性の観点から樹脂(プラスチック)系の複合材料が注目され,情報・家電・輸送機器・福祉医療機器・ロボットなどの各種産業分野において重要な材料となっている。一方で,樹脂の機能性や機械特性は低く,その物性向上に粉体フィラーの果たす役割は大きい。特に繊維状,板状のアスペクト比の大きな低次元フィラーは複合材料の開発において注目されている。本稿では,機械的な粉体処理によって,低次元フィラーを高アスペクト比化するための粉体処理プロセスについて述べるだけではなく,機能系(高熱伝導性複合材)と構造系複合材料(CFRP)の機能物性と成形性向上における低次元フィラー(六方晶窒化ホウ素; h-BN)の添加効果とその有用性について紹介する。

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