2022 年 65 巻 p. 28-37
バイオマス利用によるCO2削減,廃プラリサイクルは喫緊の課題となっている。本稿では,バイオマスと廃プラスチックを固体ハンドリング容易な均質な固体燃料に変換する新規の前処理プロセスの検討を行った。まず,木質バイオマスに金属化合物を添加するという簡単な操作によって,炭化物収率倍増(タール発生ほぼゼロ),脱塩素,粉砕性向上を実現できることを示した。新規プロセスフローを提案し,7 wt%NaOH添加,500°Cの最適条件でエネルギー及びコスト評価し優れたプロセスであることを明らかにした。次に,混合廃プラに微粉炭を添加し340°Cに加熱処理して粉砕性,燃焼特性,安全性に優れた溶融付着しない粒状固体を製造する方法を確立した。以上,粉砕やハンドリング困難な廃棄物をハンドリング容易な高品位固体原料として再生する方法を確立した。