固相反応のために異種の原料粉体を混合して焼成する際に、多くの場合、焼成後の粒子凝集体を一次粒子近くまで解砕する操作が必要となってきます。本稿では、解砕の目的で使用されるホソカワミクロンの各種粉体処理装置の特徴について解説すると共に、セラミック凝集体の解砕事例としてコンデンサ用粉体、二次電池正極材用セラミック粉体の最近の解砕技術の実施例について紹介しています。
近年の新薬開発品数の増加傾向や高齢化の進行を背景にして、医薬業界の生産設備の増強に力が入れられています。これらの中で高薬理活性医薬品の取扱いが増加するにつれて、交叉汚染や健康障害、環境汚染等の問題に対応するために、ハザード物質が飛散しないように封じ込め技術が必要となっています。本稿では、ハザード物質の管理区分と適用機器、ならびに封じ込め機器の種類についてまとめ、医薬市場の封じ込め技術を紹介しています。
ふるい分け操作は、品質保証に対して原理的に信頼性の高い操作で、これを湿式で行うことで、より細かな効率的な分析が可能となります。湿式ふるい分け装置ヴィブレット®(VBL-F)はこれまで水を用いた分析専用となっていましたが、新しく開発されたVBL−FS型は 有機溶剤対応が可能で、水溶性, 撥水性により水では十分なふるい分けが行えない粉体や, 有機溶剤中に分散して使用する粉体の評価も可能となりました。
近年、地球環境問題への対応が急務となっており、二酸化炭素削減目標を達成するための自動車のEVシフト化に向けて電池製造設備への投資が拡大してきていますが、同時に その製造設備の更なるコストダウンが要求されるようになってきています。ホソカワミクロンではEVに使われるリチウムイオン電池に関連し、正極材・負極材の生産に使われる装置を製造していますが、本稿では正極材に使われるホソカワミクロンの粉砕設備への取り組みを紹介しています。
シワやシミなどの肌症状の「根本治療」を目的に、昨今再生医療から派生したスキンケア技術が注目を浴び,化粧品原料として卵殻膜やヒト幹細胞培養液が利用されています。これらの原料成分は組成が複雑で分子サイズも大きいため,皮膚を通して浸透しにくくなっています。そこで本稿では、巨大分子成分である加水分解卵殻膜を封入したPLGA ナノ粒子が真皮ジワの改善に有用であることを解説しています。