食品の物性を①微少変形領域での『(狭義の食品の)物性』(いわゆる「物性」)②大変形領域,食感なども意味する『食品の力学物性』 ③品質特性をも含む『(広義の)食品の物性』3つに整理した。そのうえで,乳タンパク質カゼインの凝集・凝固に焦点を当て,動的粘弾性の得られるデータの意義を整理した。ゲル化状態への変化,ゲル化構造体の力学的状態の理解には動的粘弾性の観察は有用であることを示した。さらに多様な乳ゲルの研究には構造観察や大変形での動的粘弾性の適用など重要となる。食品の物性研究においては,「モノ作りがわかること」,「モノの素性を理解すること」が前提になる。多くの技術者と多くの研究者の結集・交流こそが「食品の物性研究」の発展には欠かせない。乳・乳製品を対象とした食品の物性研究は,その牽引として,今後一層の発展を期待したい。