抄録
著者らはすでに海水中のウラン分析法として、キレート樹脂を用いるカラム法による分析法を開発し、それを用いて多くの研究を行なった。本報は、船上分析や、大量の海水処理に便利なように、バッチ法による改良法を検討したのでその結果を述べる。海水 1~51 をビーカーにとり、pH 3に調整したのち、キレ一ト樹脂を添加し、攪拌してウランを吸着分離する。ウランの定量にはα同位体希釈法または分光光度法を用いる。この方法による平均回収率は100%で、カラム法による分析結果とよく一致している。本方法は、船上においてもまた実験室においても、カラムの目づまりなどを考慮することなく簡便に使用できることが明らかになった。