抄録
食用きのこにおけるGABA蓄積機構を解明するための基礎的な知見を得るため,GABA蓄積の鍵酵素としてグルタミン酸デカルボキシラーゼ(GAD)[EC 4.1.1.15]を市販マイタケ(Grifola frondosa)子実体より精製し,その特性について調べた.収率1.24%,精製倍率11.9倍で,電気泳動的に単一のGAD酵素が得られた.精製酵素の分子量は,SDS-PAGEより約42kDa,HPLC-GPCより約97kDaであったことから,本酵素は二量体であることが示唆された.最大活性はpH3.5で37℃のときに観察され,pH2.5-5.5でGAD活性は安定であった.G. frondosaより精製したGADは,L-グルタミン酸でのみ特異性を示した.酵素のKmは7.5mMで,Vmaxは450μmol min^<-1>であった.酵素活性はHgCl_2とAgNO_3より著しく阻害された(0%,32%).