日本きのこ学会誌
Online ISSN : 2432-7069
Print ISSN : 1348-7388
21 巻, 1 号
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  • 河岸 洋和
    原稿種別: 本文
    2013 年 21 巻 1 号 p. 11-15
    発行日: 2013/04/30
    公開日: 2018/03/15
    ジャーナル フリー
    筆者らのきのこ2次代謝産物に関する化学的研究を紹介する.ヤマブシタケ,ブナハリタケ,オオシロアリタケ,アカヤマドリ,サケツバタケから小胞体ストレス抑制物質を得た.茶樹茸,アンニンコウから破骨細胞形成抑制物質を得た.「フェアリーリング」を引き起こすコムラサキシメジの菌糸体からは,試した全ての植物の成長を制御する活性物質を得ることに成功した.フミヅキタケ培養菌糸体からは,レタス幼苗の胚軸の生長を阻害する化合物を得た.ドクヤマドリからは下痢誘発物質を得ることに成功した.2004年にスギヒラタケの摂取により急性脳症が発生した.このきのこから急性脳症に関わっていると思われる致死物質,レクチン,低分子毒性物質の精製に成功した.スギタケからはFuc-α1-6結合のみに結合するレクチンを発見した.現在このレクチンは癌の診断薬として開発研究がされている.
  • 岩本 和子, 吉田 敬洋, 楠田 瑞穂, 福田 泰久, 寺下 隆夫, 白坂 憲章
    原稿種別: 本文
    2013 年 21 巻 1 号 p. 16-22
    発行日: 2013/04/30
    公開日: 2018/03/15
    ジャーナル フリー
    食用きのこにおけるGABA蓄積機構を解明するための基礎的な知見を得るため,GABA蓄積の鍵酵素としてグルタミン酸デカルボキシラーゼ(GAD)[EC 4.1.1.15]を市販マイタケ(Grifola frondosa)子実体より精製し,その特性について調べた.収率1.24%,精製倍率11.9倍で,電気泳動的に単一のGAD酵素が得られた.精製酵素の分子量は,SDS-PAGEより約42kDa,HPLC-GPCより約97kDaであったことから,本酵素は二量体であることが示唆された.最大活性はpH3.5で37℃のときに観察され,pH2.5-5.5でGAD活性は安定であった.G. frondosaより精製したGADは,L-グルタミン酸でのみ特異性を示した.酵素のKmは7.5mMで,Vmaxは450μmol min^<-1>であった.酵素活性はHgCl_2とAgNO_3より著しく阻害された(0%,32%).
  • 本間 裕人, 中村 和夫, 川村 拓未, 徳田 宏晴, 中西 戴慶
    原稿種別: 本文
    2013 年 21 巻 1 号 p. 23-29
    発行日: 2013/04/30
    公開日: 2018/03/15
    ジャーナル フリー
    きのこ類を用いて味噌の製造を行った.味噌の製造に利用可能なきのこ類の選抜を行ったところ,11株のきのこ類において顕著な耐塩性プロテアーゼの生産性が認められた.そこでそれらの菌株を用いて実際に味噌を試醸したところ,すべての菌株において28日間の熟成で柔らかいペースト状となり,きのこ味噌を製造することができた.製造したきのこ味噌の一般食品成分分析を行ったところ,いずれも市販米甘口味噌に近い値を示した.熟成度合いについて調べるため可溶性窒素量を調べたところ,市販米甘口味噌が8.32g/kgであったのに対し,トキイロヒラタケ味噌では8.46g/kgであった.ホルモール窒素について調べたところ,市販米甘口味噌が3.67g/kgであったのに対し,エノキタケ味噌で4.42g/kgであった.アミノ酸組成について調べたところ,11株中5株のきのこ味噌でグルタミン酸含有量が市販米甘口味噌より高かった.
  • 宮澤 紀子, 栗原 昭一, 浜屋 忠生, 瀬山 智子, 吉本 博明, 江口 文陽
    原稿種別: 本文
    2013 年 21 巻 1 号 p. 30-35
    発行日: 2013/04/30
    公開日: 2018/03/15
    ジャーナル フリー
    キトサンは,きのこの細胞壁や甲殻類の外殻成分に含まれるキチンを脱アセチル化して得られる多糖類である.本研究では,エノキタケ由来のキトサン(キノコキトサン)の脂質異常症の改善効果および肥満抑制効果について肥満モデル動物であるZucker-fatty Ratを用いて検討した.キノコキトサンを与えた群では,体重の顕著な減少,肝臓への脂肪沈着の減少,糞便中の脂質含有率の増加を確認した.さらに血液生化学検査では,中性脂肪,総コレステロール,LDL-コレステロールの明らかな低下が認められた.キノコキトサンは,腸管からの脂肪吸収の抑制,脂肪細胞での脂肪分解を介した血中脂質の改善および肝臓組織への脂肪蓄積を顕著に抑制する作用を示し,肥満ならびにメタボリックシンドロームの改善に寄与することが示唆された.
  • 寺嶋 芳江
    原稿種別: 本文
    2013 年 21 巻 1 号 p. 36-39
    発行日: 2013/04/30
    公開日: 2018/03/15
    ジャーナル フリー
    各2名の生産者の栽培したシイタケ,マイタケ,ヒラタケを対照に,子実体をトレハロース溶液に減圧浸漬することにより直接子実体にトレハロースを1%,3%,5%,7%含有させ,5℃,15℃,25℃の温度条件下に10日間置いた.その後,子実体の明度を指標として鮮度に与える影響を調べた.その結果,シイタケの場合15℃と25℃の保存条件下で1名の生産者で,マイタケの場合15℃あるいは25℃の保存条件下で2名の生産者で,子実体の鮮度保持に及ぼすトレハロース添加効果が示された.ヒラタケでは,1生産者の子実体を25℃で保存した場合のみ効果が示されたが,明確な鮮度保持効果は認められなかった.
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