抄録
シロキクラゲ(Tremella fuciformis)培養基から抽出した粗酵素は,セルロース粉末,Avicelとp-nitrophenyl-β-d-glucopyranosideに加水分解活性を示し,本菌のエキソ型セルラーゼとβ-グルコシダーゼの生産性が示唆された.しかしながら,エンド型セルラーゼの活性は認められなかった.「Companion fungus」と考えられるクロコブタケ(Hypoxylon truncatum)由来の粗酵素液は,上記基質に対する活性に加えてカルボキシメチルセルロース(CMC)にも活性を示し,エンド型セルラーゼの生産性が示唆された.CMCを基質として各種クロマトグラフィーを用いてH.truncatum由来セルラーゼの精製を行い,酵素化学的諸性質を解析した.SDS-PAGEとゲル濾過で確認された単一タンパクの分子量は,それぞれ46,000と41,000を示し、本酵素は単量体であった.4糖(cellotetraose)以上のオリゴ糖に加水分解活性を示し,2糖(cellobiose)まで生成可能であった.H.trucatumとの共培養条件下において,T.fuciformisのセルロース分解機構における微弱もしくは欠落したエンド型加水分解を,本酵素が補うことが示唆された.