日本きのこ学会誌
Online ISSN : 2432-7069
Print ISSN : 1348-7388
Pholiota microspora におけるアルコールと アルデヒド脱水素酵素遺伝子ファミリー の転写分析,その生理的役割の推定
Surasit SUTTHIKHAMPA河井 祥林 未来Sophon BOONLUE霜村 典宏山口 武視會見 忠則
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2016 年 24 巻 1 号 p. 16-23

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抄録
本研究では,Pholiota microspora での2 つのアルコール脱水素酵素(Adh),8 つのアルデヒド脱水素酵素(Aldh)と2 つのマンニトール-1- リン酸脱水素酵素(Mpd)遺伝子の発現を分析した結果,Aldh1, 2, 3, Adh1, 2,及びMpd1, 2の転写は,1 mMのエタノールの存在下の液体培養において全く影響を受けなかった.しかし,Mpd1 の発現はアセトアルデヒドで促進された.したがって,Mpd1 は,エタノール生産のためのアルコール脱水素酵素の候補である.一方,Aldh1 とAdh2 の転写は,3 mMのベラトリルアルコールの存在で促進された.したがって,Aldh1 とAdh2 の役割は,アルコール代謝から,芳香族化合物の分解に進化した可能性があると考えられた.Adh1,Mpd1,Mpd2 とAldh1 の転写は菌糸より原基および子実体で高かった.この現象はAdh1,Mpd1,Mpd2 とAldh1 の応答は子実体形成中に酸化ストレスが存在することを示唆していた.
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2016 日本きのこ学会
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