抄録
ハタケシメジ,シイタケ,マイタケおよびエリンギ子実体の熱水抽出液によるイネいもち病の抑制効果を調査した.各抽出液はいずれもイネいもち病菌の胞子発芽に影響を与えなかったが,各抽出液を7 日間前処理した全てのイネ葉において,イネいもち病の病斑形成数を対象区の蒸留水処理区と比較して著しく抑制する作用を示した.また,各抽出液を処理したイネ葉では過酸化水素の生成が観察され,さらに,PR タンパク質遺伝子のPR10a の発現が誘導された.これらの結果から,子実体熱水抽出液がイネに全身獲得抵抗性を誘導する可能性が示唆された.今後,抵抗性誘導剤として,子実体抽出液を用いたイネいもち病の防除への利用の可能性が考えられる.