日本きのこ学会誌
Online ISSN : 2432-7069
Print ISSN : 1348-7388
ヒラタケ属新品種子実体がすまし汁の呈味性に及ぼす影響
安積 良仁小木曽 加奈土居 香織下坂 誠大内 謙二稲冨 聡
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2016 年 24 巻 1 号 p. 29-35

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抄録
きのこが料理全体の呈味性にどのような影響を及ぼすか,官能評価手法を用いて評価した.6 種類のきのこ煮汁を用いて作製したすまし汁を評点法で評価した結果,全てのきのこで呈味性が向上することが示された,その中でヒラタケ属新品種IC1 株について,食塩濃度と塩味およびおいしさの関係について詳しく試験した結果,IC1 には塩味緩和や味を濃くする効果が確認できた.また,タマネギや大根の煮汁との比較においても,有意に評点が高く,IC1 は料理全体の呈味性を向上させる優良な食材であることが示唆された.各種すまし汁に含まれる旨味成分量から等価うまみ濃度(EUC)を算出した結果,IC1 の呈味性向上作用は,旨味成分だけではなく,塩味を緩和するもしくは旨味を増強する他の成分が関与していることが推察された.
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2016 日本きのこ学会
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