抄録
オオワライタケは幻覚や幻聴症状を誘起する毒きのこである.近年,本きのこ種が生産するジムノピリンの生理・薬理活性作用に関する研究が行われている.本研究では,ジムノピリンの抽出に必要とされるオオワライタケ子実体を安定供給することを目的に,子実体生産技術の開発を目指した. 10%(v/v)米ぬか含有ブナ木粉培地で,菌糸体を培養した後,注水処理,低温処理および覆土処理をした.その結果,低温処理や注水処理では子実体は形成しなかったが,覆土処理で菌糸塊および子実体が安定して形成した.子実体形成は10 - 20%米ぬか含有培地において認められたが,0%および30%以上含有培地では認められなかった.覆土処理した培地を明所下で培養すると高い収量性と正常子実体形成が認められた.以上の結果にから,オオワライタケを安定生産するためには,10%米ぬか含有ブナ木粉培地で培養した後,覆土処理し,明所下で培養する方法が有効であると思われた.