抄録
きのこ類で発酵・熟成させた糸状菌熟成チーズの製造を目的として,不織布にきのこ類を生育させた菌糸マットを作成後,チーズを包み発酵・熟成させることを試みた.ヒラタケSKB019,トキイロヒラタケNBRC31859などの5株を選抜し,菌糸マットで包み2週間熟成させたところ,チーズ表面へ一部菌糸の活着がみられた.さらに市販スライスチーズ上で生育可能なきのこ類8株を再選抜し,チーズの発酵・熟成を試みたところ,コナサナギタケNBRC100743,ツクツクホウシタケNBRC33259,サナギタケNBRC100741においてチーズ表面全体に菌糸が活着していた.製造したきのこチーズの可溶性窒素およびホルモール窒素はツクツクホウシタケ無脂肪乳チーズが最も高く,1.72 g / 100 g,および0.570 g/100 gという値であり,市販のカマンベールチーズやブルーチーズと比較して同等かそれ以上の値であった.