マイコトキシン
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第72回学術講演会ワークショップ「機器分析を用いた最新迅速測定法」
質量分析法(MALDI-TOF MS)を用いた臨床微生物同定と感染症迅速診断への応用
東山 智宣中西 豊文田窪 孝行
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2013 年 63 巻 2 号 p. 209-216

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抄録
 マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析法(Matrix-assisted laser desorption/ionization-time of flight mass spectrometry:MALDI-TOF MS)を用いた微生物同定法は,MS 法により得られた微生物特有のリボソームタンパク質を主成分とした分子のフィンガープリント(マススペクトルパターン)を,既知標準菌株ライブラリーと検索・照合し,目的菌種を同定する新手法である.従来法に比して特異性・迅速性に優れている.現在,我々の検査室では,主に臨床検体(血液,尿,糞便,喀痰等)から培養で発育した細菌や酵母様真菌の培地上のコロニーを対象に MALDI-TOF MS による微生物同定を実施している.一方,菌血症・敗血症等の起因菌を検出・同定検出する場合は,培養コロニーではなく,血液培養陽性培養液から直接同定する方法も検討している.今回,本法による微生物迅速同定の成績と感染症迅速診断への応用について概説する.
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© 2013 日本マイコトキシン学会
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