2021 年 110 巻 2 号 p. 232-239
ハイリスク患者に対するPCI(percutaneous coronary intervention)は,CHIP(complex and high-risk intervention in indicated patients)と呼ばれる.技術やデバイスの進歩に伴い,これまでは十分な治療ができなかった患者への治療を提供できることから,CHIPはインターベンション医の1つの専門分野として日米の学会でも注目されている.CHIPでは,より難易度の高いCTO(chronic total occlusion,慢性完全閉塞病変)も頻繁に治療が必要となるため,CTOの治療にも精通していることが求められる.また,米国では2008年にロボティックPCIの使用が開始され,本邦でも2019年から使用が始まっている.本稿では,CHIP患者に対する最新の治療,CTOに対する治療,また,ロボティックPCIの発展について,日米での知見を踏まえて解説する.