農研機構研究報告
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原著論文
ブドウ新品種‘グロースクローネ’
佐藤 明彦山田 昌彦三谷 宣仁河野 淳伴 雄介上野 俊人白石 美樹夫尾上 典之岩波 宏東 暁史 吉岡 美加乃間瀬 誠子伊藤 隆男
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2021 年 2021 巻 7 号 p. 47-61

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抄録

‘グロースクローネ’は,1998 年に‘藤稔’に‘安芸クイーン’の交雑を行い,そこから得た実生から選抜された,紫黒色の大粒ブドウである.2010 年からブドウ第13 回系統適応性検定試験に供試し,2017 年2 月の果樹系統適応性・特性検定試験成績検討会で新品種候補にふさわしいとの合意が得られ,2020 年8 月14 日に第28086 号として種苗法に基づき品種登録された.樹勢は強い.発芽期は‘巨峰’より1 日,開花期は‘巨峰’より2 日遅い.満開~満開3 日後と満開 10 ~15 日後にジベレリン25ppm に花(果)穂を浸漬処理することにより無核果生産できるが,安定した無核果生産にはストレプトマイシンの利用が望ましい.花穂整形労力は‘巨峰’並み,摘粒労力は‘巨峰’より少ない.果実成熟期は‘巨峰’とほぼ同時期であり,‘ピオーネ’より4 日程度早い.果粒重は19g 程度,糖度は18.4% 程度,酸含量は0.46g/100ml 程度である.裂果性は‘巨峰’や‘ピオーネ’よりやや多い.無核栽培における含核数は0.10 個/ 粒で,‘巨峰’と同程度である.果皮色は紫黒色で,気温が高い夏秋季の西南暖地においても‘巨峰’や‘ピオーネ’と比較して安定して良好な着色が得られる.高温下でも着色が容易なため,‘巨峰’や‘ピオーネ’において着色不良が発生しやすい西南暖地での普及が見込まれる.

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