短梢せん定栽培のブドウ‘シャインマスカット’の光反射シートマルチを利用した減農薬防除体系(減農薬区),シート無被覆の慣行防除体系(慣行区)と殺虫剤および殺菌剤無散布体系(無散布区)において発生した潜在害虫による果実と葉,および当年枝の被害を調査した. トリバ類による被害果房率とブドウスカシクロバによる被害葉率は,無散布区では他の試験区よりも大きくなったが,減農薬区と慣行区で差が認められなかった. また,冬季に当年枝を除去する短梢せん定園では,枝幹害虫による翌年の当年枝の被害が無散布区を含む全試験区においてもほとんど発生しなかった. このことから,短梢せん定‘シャインマスカット’において,光反射シートマルチを利用した減農薬防除体系では,ブドウの潜在害虫による実害が発生する可能性は低いと考えられた.