農研機構研究報告
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原著論文
四季成り性イチゴ新品種‘夏のしずく’
本城 正憲 塚崎 光濱野 惠由比 進片岡 園奥 聡史日浦 聡子細田 洋一對馬 由記子東 秀典山田 修鈴木 朋代大鷲 高志高山 詩織尾形 和磨鹿野 弘佐藤 友博山崎 紀子藤島 弘行
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2023 年 2023 巻 15 号 p. 71-76

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抄録

‘夏のしずく’ は 2011 年に ‘みやざきなつはるか’ に,06sAB-4e(‘なつあかり’×盛岡30号)を交配して育成したイチゴ品種である.草姿は立性で,草勢は強く,ランナーの発生本数は多い.四季成り性であり,国産イチゴの端境期である夏秋期に収穫できる.‘なつあかり’ や ‘サマーベリー’ より収量が多く,夏期冷涼な立地では 3 t/10 a 以上の商品果収量が見込める.収穫期間を通じた商品果平均 1 果重は ‘なつあかり’ や ‘サマーベリー’ と同程度の約 10 g 前後である.果実は円錐形で,果皮色は赤,果肉色は淡赤である.痩果深度は果皮並で,夏秋どり栽培において問題となりやすい種子浮き(種子が表面に強く突出する状態)は生じにくい.輸送性・日持ち性に関わる果実硬度は ‘なつあかり’ や ‘サマーベリー’ より高く,夏秋期における業務需要に適する.糖度,酸度ともに高く,ケーキなどのスイーツに向く食味である.

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