2024 年 2024 巻 18 号 p. 39-43
農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)の昆虫標本館は,アジア有数の昆虫標本コレクションを収蔵しており,その中には非常に重要な担名タイプ標本も多数含まれている.しかし,昆虫標本館では,安全上のリスクがある旧式のポリフォーム敷きの標本箱を使用して担名タイプを保管していた.そこで,本研究では,昆虫標本館の担名タイプの管理状況の改善を目的とし,ユニットボックスを活用した現代的な標本管理システムへの移行作業を実施した.本稿では,その移行作業の成果を報告し,担名タイプなどの貴重な標本を管理する際のユニットボックス利用の意義を議論する.