抄録
高線量放射線照射後の脳腫瘍患者11例で水素磁気共鳴スペクトロスコピー(1H MRS)を用いて,放射線壊死および再発脳腫瘍の鑑別診断を施行した.6例の再発脳腫瘍および4例の放射線壊死は組織学的に診断が確認され,1例は臨床経過と画像所見より放射線壊死と診断された.放射線壊死は再発脳腫瘍に比して,著名に上昇したlactate/creatine and phosphocreatine(Cr)比と低下したCholine-containing compounds/Cr比,または完全な無信号である2つの1H MRSパターンが認められた.N-acetyl aspartateはこれらの鑑別診断の指標とはならなかった.1H MRSによる脳および腫瘍組織代謝の検討は,放射線壊死と再発腫瘍との鑑別に有効であるものと考えられた.