抄録
頭位回旋時に対側椎骨動脈に狭窄を生じるいわゆるbow hunter''s strokeが椎骨動脈の走行異常に合併した例を報告する.
症例は53歳男性。頭位左方回旋時のvertebrobasilar insufficiencyを反復した.脳血管造影は同体位で右椎骨動脈環椎-軸椎レベルの高度の狭窄を示した.環椎横突孔での椎骨動脈の解除を計画したが,同動脈は環椎横突孔を貫通せず,その近位で反転した後に環椎のbony canalを経て後頭骨-環推間で硬膜内へ走行していた.このためbony canalにて椎骨動脈を解除し,症状の軽快を得た.bow hunter''s strokeへの血管減圧術を行う際,variationを考慮し術前に頭蓋頚椎移行部の充分な解剖学的評価が必要と思われる.