日本食品科学工学会誌
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ラット子宮標本の自動運動に対するボイセンベリー葉抽出物の作用
久保村 喜代子John Molyneux大森 正司内田 勝幸最上 おりえ小田 宗宏
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2006 年 53 巻 1 号 p. 17-22

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抄録

ボイセンベリー葉抽出物のラット子宮平滑筋に対する作用についてマグヌス法を用いて検討した.ボイセンベリー葉抽出物は葉100gから2Lの熱水を用いて乾燥物として30.2g得られた.ボイセンベリー葉抽出物は濃度依存的にラット子宮自動運動による収縮力および収縮頻度を増加させた.これらの反応はカルシウムチャンネル拮抗薬であるジルチアゼムにより用量依存的に抑制された.小胞体カルシウムチャンネルの阻害薬であるダントロレンでは収縮頻度のみが用量依存的に抑制された.したがって,ボイセンベリー葉抽出物はおそらく電位依存性のカルシウムチャンネルを介し細胞外のカルシウムを細胞内に取り込むことにより子宮の自動運動の促進作用を示すと考えられた.以上のことからボイセンベリー葉抽出物は子宮の生理機能に対し何らかの作用を示す可能性が示された.

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© 2006 日本食品科学工学会
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