2006 年 53 巻 11 号 p. 555-560
ウンシュウミカンに生じる初期の腐敗は,正常な部分と果皮色にほとんど変化がないため見落とされやすく,選果施設などで導入されているRGBカラーカメラでも検出が難しい.そこで,腐敗部分を検出するために,イメージング分光器によって可視から近赤外領域までの連続した分光画像を簡易に測定できる装置を作成した.この装置を用いて得られた分光画像から,腐敗部分と健全部分の平均吸光スペクトルを算出し,重回帰分析を行った.3波長まで採用し,第1から第3波長までの分光反射率の値をRGBに置き換えて疑似カラー画像を作成したところ,2次微分したスペクトルを用いた場合の精度が高く,36サンプルの内27サンプルの腐敗部を識別することが出来た.