日本食品科学工学会誌
Online ISSN : 1881-6681
Print ISSN : 1341-027X
ISSN-L : 1341-027X
報文
無機元素分析による乾シイタケの原料原産地および栽培方法の判別
門倉 雅史臼井 裕一有山 薫
著者情報
ジャーナル フリー

2006 年 53 巻 9 号 p. 489-497

詳細
抄録

乾シイタケの傘部をマイクロ波試料分解装置により酸分解して試料溶液を調製した後,誘導結合プラズマ発光分析法により10元素(Na, Mg, P, K, Ca, Mn, Fe, Zn, Sr及びBa),また,誘導結合プラズマ質量分析法により19元素(Li, Al, V, Co, Ni, Cu, Rb, Y, Mo, Cd, Cs, La, Ce, Nd, Sm, Gd, W, Tl及びPb)を定量した.
国産原木栽培品50試料,中国産原木栽培品47試料及び中国産菌床栽培品50試料の定量値を用いて構築した,栽培方法を判別する関数は別の検定用の60試料を100%の判別的中率で予測した.国産原木栽培品50試料と中国産原木栽培品47試料の定量値を用いて構築した,原料原産地を判別する関数は検定用の45試料を93%の判別的中率で予測した.これらの判別関数を2段階で利用することにより検定用試料全60件を95%の判別的中率で予測できた.また,3群を判別する関数も構築し,検定用の60試料を93%の判別的中率で予測した.乾シイタケの栽培方法及び原料原産地表示の信憑性を無機分析により検証できる手法が確立できた.

著者関連情報
© 2006 日本食品科学工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top