日本食品科学工学会誌
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研究ノート
スケトウダラ卵中の亜硝酸根定量のための試料液調製法の最適化
相馬 さやか森永 詞子吉本 宇子三池 美佳中村 誠田中 賢二
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2007 年 54 巻 3 号 p. 128-132

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抄録

スケトウダラ原卵に含まれる亜硝酸根の定量では試料液の白濁やろ過遅延・発泡といった問題が生じ,これはたらこ製造の工程管理において大きな負荷要因となる.
そこで,原卵とたらこの亜硝酸根分析作業の迅速化のため,前処理方法における除タンパク剤添加条件および消泡剤の使用効果について検討した.
その結果,ろ過速度を速める条件として,従来法の2倍濃度の除タンパク剤を2分の1量添加する方法を見出すことができた.また,発泡抑制に有効な消泡剤はシリコン樹脂を主成分とする和光純薬のSIで,ホモジナイズ前の試料液に対し10倍希釈液を100μl添加する方法が最適であった.消泡剤添加はろ過速度の改善にも効果を示した.
本法により,試料溶液のろ過速度の低下や発泡といった問題を生じるスケトウダラ卵製品の亜硝酸根量を正確に且つ迅速に測定することができる.

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© 2007 日本食品科学工学会
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