日本食品科学工学会誌
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超音波により測定した咽頭部での液状食品の流速に及ぼす嚥下量の影響
長谷川 温子中澤 文子熊谷 仁
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キーワード: 超音波, 嚥下, 流速, 嚥下量, 誤嚥
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2008 年 55 巻 7 号 p. 330-337

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抄録

超音波パルスドップラ法を用いて,嚥下量の変化による咽頭部での流速分布の測定を行い,食物の量が嚥下に与える影響から誤嚥の危険性の低い嚥下量を明らかにした.誤嚥しにくいとされているヨーグルトは嚥下量3.0~15.0gでは量が少ないほど,最大流速が小さく,誤嚥の危険性が低いことを示した.誤嚥しやすいとされている水は量が少ないほうが最大流速は小さいが,ヨーグルトに比べると2倍以上の最大流速であるため注意が必要である.水とヨーグルトともに嚥下量が少量のほうが最大流速は小さく,被験者によるばらつきも小さいことから,少量の嚥下量であれば多くのヒトは誤嚥の危険性が低くなることを明らかにした.

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© 2008 日本食品科学工学会
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