日本食品科学工学会誌
Online ISSN : 1881-6681
Print ISSN : 1341-027X
ISSN-L : 1341-027X
報文
筋電位計測による若年者と高齢者の漬物咀嚼特性解析
大山 高裕阿久津 智美伊藤 和子渡邊 恒夫神山 かおる
著者情報
キーワード: 咀嚼音, 高齢者, 筋電位, 咀嚼, 漬物
ジャーナル オープンアクセス

2009 年 56 巻 1 号 p. 14-19

詳細
抄録
若年者と高齢者の漬物咀嚼の違いについて,咀嚼筋筋電位計測により検討を行った.その結果,若年者と高齢者では咀嚼回数,咀嚼時間,咀嚼周期,筋電位振幅,筋活動量,咀嚼音で違いが認められ,両者の咀嚼に違いがみられることが示唆された.また,各漬物試料の咀嚼特性値を比較し,漬物の咀嚼特性の違いを確認した.中でもたくあんは特に咀嚼負担のかかる漬物であることがわかった.筋活動量の経時的な変化に関する検討結果からは,若年者では初期から後期にかけて咀嚼の変化が起きていたが,高齢者では若年者ほどの筋活動量の急激な変化はみられず,若年者と高齢者で咀嚼過程に違いがあることが示唆された.また,咀嚼音の経時変化は筋活動量の変化と近い変化を示し,若年者と高齢者の咀嚼活動の違いを表していると考えられた.
著者関連情報
© 2009 日本食品科学工学会

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 継承 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-sa/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top