食経験のある101種類の植物から105種類のエキスを得た.これらについて,食品変敗菌を供試菌として抗菌性の有無をスクリーニングした.数種のエキスに耐熱性芽胞菌や酵母に対する抗菌性(MIC<300μg/ml)が認められた.このなかで,イヌガヤの未熟果実エキスは固体培地・液体培地問わず抗菌性が認められ,また試験に供したグラム陽性菌すべてに対して強い抗菌性(寒天培地を用いたときのMICが25μg/ml~200μg/ml, 液体培地を用いたときのMICが2μg/ml~40μg/ml)を発揮することが見出された.培地のpHを酸性もしくはアルカリ性にシフトすることで,さらに強い抗菌性が発揮されることも示唆された.