日本食品科学工学会誌
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研究ノート
食用キク栽培品種のフラボノイドとポリフェノール画分のラジカル消去活性
菅原 哲也五十嵐 喜治
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2009 年 56 巻 11 号 p. 600-604

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抄録

山形県にて栽培されている食用キク,4栽培品種(イワカゼ,コトブキ,モッテノホカ(黄色花弁),モッテノホカ(紫色花弁))について,主要なフラボノイドを定量するとともに,その成分組成とDPPHラジカル消去活性との関係を明らかにした.
食用キクのフラボノイド構成は品種により大きく異なっていた.また,ポリフェノール画分のラジカル消去活性はモッテノホカ(黄色花弁)において最も強く,次いでコトブキ,イワカゼ,モッテノホカ(紫色花弁)における順であった.いずれの食用キクにもルテオリン7-O-(6″-O-マロニル)-グルコシド,アピゲニン7-O-グルコシド,アピゲニン7-O-(6″-O-マロニル)-グルコシド,アカセチン7-O-(6″-O-マロニル)-グルコシドが含まれていたが,このうち,最も強いラジカル消去活性を示すルテオリン7-O-(6″-O-マロニル)-グルコシドはモッテノホカ(黄色花弁)において最も含有量が高く,次いで,コトブキ,イワカゼ,モッテノホカ(紫色花弁)の順で高い値を示した.一方,ラジカル消去活性の弱いアカセチン7-O-(6″-O-マロニル)-グルコシドおよびアピゲニン7-O-(6″-O-マロニル)-グルコシド含有量はそれぞれ,イワカゼ,モッテノホカ(紫色花弁)において高い値を示した.

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© 2009 日本食品科学工学会
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