日本食品科学工学会誌
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研究ノート
共役リノール酸強化パンの開発
佐々木 久美古賀 民穂山本 健太矢羽田 歩岩田 敏夫太田 英明
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2011 年 58 巻 7 号 p. 335-338

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抄録

CLAは体脂肪減少,抗がん,抗アレルギー等,多くの生理作用が報告されている.CLA摂取量を高めるために,CLA強化丸パンの製造を試みた.CLA 2.0g (CLA置換率60%)を強化しても,比容積,硬さ,凝集性および官能評価の結果において対照区と差がみられなかったことから,供試したCLA量の範囲内CLA0.5g~2.0g強化/個(約40g)では,パンの品質にはほとんど影響を与えなかった.
CLAは焙焼工程において,こね工程と比較して7%程度の増加傾向がみられた.室温貯蔵は8日間,冷蔵貯蔵では12日間でCLA含量は徐々に漸減し,冷凍貯蔵では30日目まではCLA含量に大きな差異がみられなかった.
本試験での配合割合のパンの製造では,CLA 2.0g強化(CLA置換率60%)のパンの製造・利用が可能であることから,CLA摂取量を高める食品の一つとして有望な加工食品であることを明らかにした.

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© 2011 日本食品科学工学会
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