日本食品科学工学会誌
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研究ノート
ペパーミント熱水抽出物の胃保護作用
植野 壽夫西村 修戸川 真佐久間 克也
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2014 年 61 巻 7 号 p. 308-313

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抄録

本研究では,ストレス潰瘍および胃の不快症状に対するペパーミント熱水抽出物(Peppermint aqueous extract, PE)の効果を動物試験および健常者を対象としたアンケート調査により検討した.マウスに強制水泳を負荷させることにより発生させた実験的ストレス潰瘍に対して,予めPE (300mg/kg)を単回経口投与することにより,マウスの潰瘍面積は対照群と比べて有意に減少した.アンケート調査では,被験者(胃の不快症状を有する35歳以上65歳以下の健康な男女)はPE含有カプセル(PE 300mg/day)あるいはプラセボカプセルを2週間連続摂取し,胃の不快症状(胃痛,胸やけ,胃もたれ症状)に関するアンケートに回答した.摂取期間終了後,PE摂取群(n=105)では胃もたれ症状の一つである膨満感のスコアがプラセボ群(n=100)に比べて有意に低下した.以上の結果から,PEの摂取がストレス潰瘍の予防や膨満感の緩和に有効である可能性が示唆された.

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© 2014 日本食品科学工学会
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