日本食品科学工学会誌
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メタボローム解析手法を用いたPETボトル詰め緑茶飲料中のアスコルビン酸分解に関する研究
隅谷 栄伸大塚 貴子笹井 実佐
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2014 年 61 巻 9 号 p. 418-426

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抄録

本論文の目的は,GC/MSを使ったトリメチルシリル誘導体化分析と主成分分析による多変量解析を用いるメタボロミクス手法を応用し,PETボトル詰め緑茶飲料中成分の挙動を解明することである.
PETボトル詰め緑茶飲料を4°Cと55°Cで2週間および4週間保存した.前処理後,誘導体化GC/MS分析結果の主成分分析によって,試料は保存温度と期間に応じて3つにグループに分離された.その変数プロット図から品質指標として2つの成分を選定し,GC/MSおよびLC/MS分析によりそれぞれ2種類のアルドン酸(キシロン酸およびリキソン酸)と同定した.これらキシロン酸およびリキソン酸が緑茶飲料に添加されたアスコルビン酸の分解によって生成し,55°C保存中に増加することを実験的に示すことで緑茶飲料製品におけるアスコルビン酸の分解経路を明らかにした.

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© 2014 日本食品科学工学会
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