疎水性乳化剤であるプロピレングリコールモノオレート(PO)およびプロピレングリコールモノステアレート(PS)を水相に分散させて調製したホワイトソースでは,油相に分散させた場合に比べて凍結融解後の物性は未凍結ホワイトソースに近く,官能評価も優れていた.
無添加とPOおよびPSを油相添加した凍結ホワイトソースで観察された離水やかたさと粘度の増加,澱粉凝集などの老化現象が,水相添加した場合では緩和されたことから老化抑制が示唆された.
ヨウ素呈色比色法とX線回析測定の結果から,水相添加ではアミロースと乳化剤の複合体形成が示唆され,複合体により澱粉の老化が抑制されていることが示唆された.油相添加において抑制が弱かったのは複合体形成量が低かったためではないかと思われる.
今後本研究の添加方法を用いて,既存の疎水性乳化剤の機能を引き出せるかもしれない.