日本食品科学工学会誌
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研究ノート
食用藍藻ノストコプシスの熱水抽出物の成分とラットにおける血糖値上昇遅延効果
谷岡 由梨美藤 友博竹内 崇竹中 裕行山口 裕司古庄 律石田 裕渡邉 文雄
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2017 年 64 巻 1 号 p. 38-42

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抄録

食用藍藻ノストコプシス(Nostochopsis sp.)から熱水抽出物を調製し,化学的および生理的な特徴を明らかにした.調製した熱水抽出物は,炭水化物(約52.3g/100g乾燥重量)が主要な成分であり,そのほとんどが水溶性食物繊維であった.調製した水溶性食物繊維の構成糖は中性糖(約51.2g/100g乾燥重量)と酸性糖(約24.3g/100g乾燥重量)から成り,主要な中性糖はグルコース,フコース,マンノースであった.また,熱水抽出物は0.1% (w/v)の濃度で高い粘性(1.90mPa·s)を示した.耐糖能の評価において,0.5% (w/v)熱水抽出物を摂取させたラットの血糖値がマルトース投与後30分でコントロールに比べ顕著に低下した.以上のことより,ノストコプシス熱水抽出物は食後の血糖値の上昇を遅延させる効果を有していることが示唆された.

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© 2017 日本食品科学工学会

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