日本食品科学工学会誌
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研究ノート
黒ニンニクの製造条件が機能性アミノ酸含量に与える影響
山谷 祥史 能登谷 典之
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2022 年 69 巻 12 号 p. 573-578

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抄録

ニンニク (Allium sativum) 加工食品の一つである黒ニンニクの機能性に関する品質向上に資するため, 加温処理前の貯蔵期間と加温処理温度がS-アリルシステイン (S-allyl-L-cysteine, SAC), シクロアリイン (cycloalliin, CA) およびγ-アミノ酪酸 (γ-aminobutyric acid, GABA) 3アミノ酸に与える影響について検討した.

加温処理前貯蔵期間, 加温処理温度に関わらず, SAC, CA, GABAは加温処理初期に顕著に増加した. その後, 加温処理の継続により, SACとGABA含量は減少したが, CA含量に大きな変化はなかった. 原料ニンニクの処理前貯蔵 (-2℃) 期間の影響は, SAC含量やGABA含量に比較して, CA含量において大きいことが示された. 65℃と75℃の加温処理温度では, CAは処理温度の影響は小さかったが, SACとGABAは65℃処理より75°C処理で処理期間中の減少が顕著であった.

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© 2022 日本食品科学工学会
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