日本食品科学工学会誌
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技術論文
高温登熟が米飯の食味と理化学的特性へ及ぼす影響
西本 有紀中村 澄子出澤 侑也高津 地志藤田 明子大坪 研一
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2022 年 69 巻 6 号 p. 287-300

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抄録

(1) 高温障害粒の割合が高いほど食味は低下する.

(2) 食味官能評価と動的粘弾性との関係について, 貯蔵弾性率 (G') は硬さと正の相関関係があることを確認した.

(3) 玄米のα-アミラーゼ活性において, 高温障害粒の割合が高いほど, α-アミラーゼ活性が高くなる傾向を確認した.

(4) 玄米白濁部位とそれと同じ粒の整粒の部位のアミロペクチン側鎖鎖長分布を測定した結果, 顕著な違いは認められなかった.

(5) RVAに関して, 食味の良い米 (整粒割合が高い米) は, 最高粘度が高く, ブレークダウンが大きいことを確認した.

(6) ヨード呈色多波長走査分析に関して, 2021年度の試験結果では, 良食味指標のλmax/Aλmaxの値は, 高温障害粒の割合が高いほど, 低下傾向を示した.

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© 2022 日本食品科学工学会
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