日本食品科学工学会誌
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豆乳エスプーマのレオロジー特性と咽頭部での食塊の最大移動速度の関係
森髙 初惠不破 眞佐子山中 健太郎
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ジャーナル 認証あり 早期公開

論文ID: NSKKK-D-24-00090

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抄録

TAFを添加した豆乳に,亜酸化窒素ガスを用いてサイフォン法によりエスプーマを生成し,その力学特性と咽頭部における食塊の最大移動速度について検討した.比較として,ハンドミキサーにより生成した泡沫についても検討した.起泡力は,サイフォン法ではTAF濃度が0.5 %(w/w)で増加し,ミキサー法ではTAF濃度が増加すると減少した.TAF濃度が増加すると,エスプーマではηapp,G’ および付着性が増加し,ミキサー泡沫では付着性とG’ は減少した.両種類の泡沫において付着性とG’ の間には正の相関が認められ,両レオロジー特性値が最大であったのは,エスプーマでは0.9 %(w/w)TAF,ミキサー泡沫では0.25 %(w/w)TAFであった.同一のTAF濃度において,咽頭部における食塊の最大移動速度は,泡沫生成前の豆乳で最も速く,エスプーマで最も遅かった.0.25 %(w/w)TAF添加豆乳エスプーマの最大移動速度は気泡を含まない0.9 %(w/w)TAF添加豆乳よりも遅かった.特に0.9 %(w/w)TAF添加豆乳エスプーマ食塊は,全種類の試料の中で最も遅い最大移動速度であった.以上の結果から,豆乳エスプーマではTAFを豆乳に添加するだけでは得られないレオロジー特性の変化が生じ,咽頭部における食塊の最大移動速度を顕著に低減できることが示された.

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