日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
市販砂糖の品質について(第1報)
昭和37年および昭和39年市販砂糖の品質
長谷 幸福本 義之高月 信子鈴木 繁男
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1964 年 11 巻 11 号 p. 490-498

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抄録

昭和37年12月(A区)と昭和39年4月(B区)の2回に,市販砂糖の試買を行ない,品質分析を行なった結果を要約するとつぎのとおりである。
(1) A区においては,混和糖は存在していたが,まだその数は少なかった。
B区においては,上白糖で27%,中白,三温糖においては58%がブドウ糖混和のものであった。
(2) 混和糖中のブドウ糖は顕微鏡下の観察の結果,すべてが結晶ブドウ糖で,今回の試験では精製ブドウ糖の混和は認められなかった。
(3) 混和糖のうちには,50%近い混和率のものもあったが,きわめて少数であった。しかも,それには人工甘味料が添加されていた。
(4) 混和糖のうちで,その旨の表示のしてあるものは,ほとんどなかった。
(5) 上白車糖の品質の幅は,A区・B区ともに従来の成書中の数値の幅よりも狭い,すなわち,各試料間の品質のふれの少なくなっていることを示している。また,A区よりも,B区においてさらにその傾向が明らかである。

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