日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
柑橘果汁中の糖含量測定用セルの試作
野村 孝一弓削 博昭松本 清筬島 豊
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

1983 年 30 巻 2 号 p. 68-72

詳細
抄録
電導度測定法に基礎を置く柑橘果汁中の糖含量測定法の実用化,汎用化の一環として電導度測定用セルの試作を行った。
(1) 通電用電極を再現性よく交換し得る4電極セルを試作し,電導度測定法としての交流4電極法の特性を検討した。
(2) プローブ電極間インビーグンスは通電用電極および測定周波数の影響を受けず,正確な液抵抗を示していることが示唆された。
(3) 本研究の結果に基づいてセル定数θ=68.1cm-1の投げ込み型4電極セルを試作した。セル本体に合成樹脂(ポリカーボネイト樹脂)を採用したことにより,セル破損のおそれが著しく減少した。
(4) 本試作セルの応答時間は事実上零秒であり, 30分間の連続測定においても測定値の変化は認められなかった。
(5) 0.6M塩化カリウム溶液の繰り返し測定結果は変動係数C. V.=0.02%を与え,本試作セルによる測定の再現性は極めて良好であった。
著者関連情報
© 社団法人 日本食品科学工学会

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 継承 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-sa/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top