日本食品科学工学会誌
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酵素によるアスパルテーム前駆体合成に対する各種有機溶媒の影響
礒野 康幸鍋谷 浩志中嶋 光敏
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1995 年 42 巻 11 号 p. 920-925

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抄録

微水系でのアスパルテーム前駆体合成を効率よく行うため,合成に適した有機溶媒の選択および界面活性剤修飾酵素の応用について検討し以下の結果を得た.
(1) 合成に適した有機溶媒を検索し,有機溶媒均一系ではピリジン,メトキシエタノール,酢酸ブチル,酢酸エチル,tert-アミルアルコールで,水飽和有機溶媒均一系,有機溶媒-水二相系ではtert-アミルアルコール,酢酸エチル,酢酸ブチル,クロロホルム,フルフラールで高い転換率が得られた.総合して,酢酸エチル,酢酸ブチル,tert-アミルアルコール,クロロホルムが適していることがわかった.
(2) 界面活性剤修飾酵素はクロロホルム均一系で有効であることがわかった.これは修飾に用いた界面活性剤と溶媒との親和性によるものと推察された.有機溶媒ごとに適した修飾用界面活性剤を検討する必要があると考えられた.

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