日本食品科学工学会誌
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サイクロデキストリン合成酵素によるヘスペリジン配糖体生成と天然色素の安定化
米谷 俊寺田 喜信西村 隆久滝井 寛岡田 茂孝
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1995 年 42 巻 5 号 p. 376-382

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抄録

β-サイクロデキストリン(β-CD)とα-ラムノシダーゼを用いてサイクロデキストリン合成酵素(CGTase)によるヘスペリジン配糖体(Hsp-Gn)生成方法の改良を行った.
0.5%ヘスペリジン(受容体),5%β-CD(供与体),2units/mlのCGTaseを含む反応液(pH 10)を40℃で16時間反応させたところ,5%可溶性澱粉を供与体としpH 5で反応させたときに比べて,約50倍のHsp-Gnを得ることができた.
このHsp-Gnを精製する段階でα-ラムノシダーゼを作用させると未反応のヘスペリジンのみが加水分解され,セファデックスLH-20カラムクロマトグラフィーにより効果的にHsp-Gnと未反応のヘスペリジンを分離できることが解った.
得られたHsp-Gnを種々の天然色素溶液に添加したところ,紫外線による色素の退色を抑制した.

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