日本食品科学工学会誌
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塩蔵赤紫蘇の香気分析
坂本 宏司曽余田 順子栗原真 由美土屋 義信吉和 哲朗守本 京三
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1995 年 42 巻 7 号 p. 512-518

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抄録

ポラパックQカラム濃縮法,パージアンドトラップ法および減圧連続水蒸気蒸留法を用いて,塩蔵赤紫蘇の香気分析を行った.これらの異なる分析法によって得られた香気成分組成比および再現性について比較検討した.
(1) 検出ピーク数はパージアンドトラップ法,減圧水蒸気蒸留法,ポラパックQカラム濃縮法の順に多かった.
(2) 香気成分組成比は3種類の分析法とも異なっており,テルペン系炭化水素類および1-オクテン-3-オール,リナロール,ベンズアルデヒドの主要含酸素系化合物はパージアンドトラップ法において最も高い組成比を示した.また,赤紫蘇の最も重要な香気成分であるペリラアルデヒドはポラパックQカラム濃縮法で最も高い組成比を示した.
(3) 再現性はポラパックQカラム濃縮法,パージアンドトラップ法,減圧SDE法の順に良好であった.
(4) 塩蔵赤紫蘇の香気分析法として,パージアンドトラップ法が最も優れた方法と考えられるが,ペリラアルデヒドや1-オクテン-3-オール等の数個の主要香気成分のみを対象とした分析ならば,ポラパックQカラム濃縮法は簡易法として品質管理に十分適用可能であると考えられる.

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