トマト'サターン'及びキュウリ'シャープワン'果実の湿度条件に対する生理的反応,特に肉質に及ぼす影響について調査した.
低湿区で2種果実の呼吸活性とエチレン生成が促進され,トマトでは着色進行が速くなることが認められた.高湿区の果肉軟化は2種果実とも緩慢であったが,低湿区では促進された.低湿条件による軟化の促進はトマトではWSPの増大とHPの減少及びヘミセルロースの減少,キュウリでは主にHMPの減少が主要因であるように思われた.
以上のことから,トマトとキュウリでは低湿条件による水分損失が一種のストレスとなり,二次的に生理活性や細胞壁構成成分分解酵素活性の増大を誘導することが示唆され,品質保持上好ましくないことが示された.