1996 年 43 巻 4 号 p. 357-361
沢ワサビ中の特徴成分である6-メチルチオヘキシルカラシ油に対する各種添加物の添加効果を検討した.
1. 6-メチルチオヘキシルカラシ油は,自動酸化ではなく酵素によって酸化されることが分かった.
2. α-トコフェロールおよびローズマリーの添加によって6-メチルチオヘキシルカラシ油は安定化された.
3. α-トコフェロールにアスコルビン酸を加えることによって,6-メチルチオヘキシルカラシ油の安定化効果はさらに増大した.
4. アリルカラシ油に対しても効果がみられ,トコフェロール(0.5%)とアスコルビン酸(0.5%)の添加が効果が最も高く,官能検査の結果(10℃, 4日後)でも,風味に変化はなかった.